怒りの素敵なお話

 

 

 

花ひらき、

今ここを天国に。

 

 

今日の午後、
ラジオから素敵なお話が聞こえてきました。

 

 

それは怒りのお話でとっても素敵だったので皆さんにもご紹介したくなりました。

 

 

私たちも、怒りの場面に出会いますが、

このお話を参考に、怒りから幸せを創ること考えてみたいものです。

 

 

 

*****

 

 

 

階段の踊り場で。

 

「喧嘩は、面とむかってするものよ!」

当時70歳前後だったと思われる、その女性は言った。

 

 

 

彼女の名前は、フェルナンデス。

 

私、ロバート・キャンベルが、

ハーバード大学の大学院生だったときに住んでいたアパートの大家さん。

 

 

 

あったかく包み込むような笑顔と気品あるたたずまい、

そしてポルトガルから移民して生き抜いてきた、

そんなたくましさも兼ね備えた優しいおばあさんだった。

 

 

 

 

彼女は1階に暮らし、私は3階を借りていた。

 

大学から帰った私をいつものように呼び止める。

 

「おかえりなさい!ポートワインでも飲む?」

 

「ああ、ありがとう。あ、今日ね、ちょっと嫌なことがあって」

 

階段の途中で立ちどまり、私は愚痴をこぼした。

 

 

 

「どうしたの?」

 

「ある人と、ちょっと関係がこじれそうだったんで、手紙を書いたんだけど、

ボクの思いが伝わらないどころか、逆ギレされてしまったんだ・・・」

 

すると、フェルナンデスさんは、少し厳しい顔になって、こう言った。

 

 

「ロバートさん、いいですか?

そういうときは、その人に会って、時間をとって、

面と向かって、ちゃんと喧嘩しなさい。

相手の目を見て、表情を感じ取って、向き合いなさい」

 

 

 

私は今も思い出す。

階段の踊り場に射していた春の薄日と、優しく諭すような、おばあさんの眼差し。

 

 

 

 

 

人と一生懸命、向き合うということ。

 

 

私、ロバート・キャンベルがハーバード大学の大学院生だった時に住んでいたアパートは、

大学から地下鉄でひと駅の、閑静で緑豊かな場所にあった。

 

 

先輩の紹介で入ったそのアパートは、戦前のままのレンガづくりの一軒家。

 

しっかりとした板張りの床、暖炉、吹き抜ける風は心地よく、

多くの時間を見守ってきた静謐な空気が、気持ちを落ち着かせてくれた。

 

私はその3階を借りていた。

 

 

 

 

大家さんのフェルナンデスさんは、ポルトガルから家族で移民してきた。

 

早くに旦那さんを亡くされ、女手ひとつで子供を育て上げた。

優しいけれど、タフなおばあさん。

 

 

 

そんな彼女にもらった言葉は、今も私の心にある。

 

特に印象的だったのが、喧嘩の仕方。

 

喜怒哀楽の、怒、怒り。

 

 

フツウはネガティブで排除すべきイメージを持つけれど、

人生において、怒りが大切であることを彼女に教わった。

 

 

 

 

正しく、怒(おこ)る。

納得がいく喧嘩をする。

 

 

私は今も、メールで怒ったりしない。

留守番電話に怒りの声を、残したりしない。

 

 

どう収拾できるかわからないけれど、

喧嘩は相手と1対1で会って、面と向かってするもの。

 

 

そうすれば、結果はどうあれ、納得がいく。

 

 

 

 

「ロバートさん、食事中に喧嘩をしてはダメよ。

食事というのはね、イチバン無防備な時間なの。

 

 

相手に全てをさらけ出し、お腹を見せる瞬間。

そんなときに喧嘩をしてしまったら、

とことん行ってしまう。

収まるものも、収まらないの、覚えておいてね」

 

 

 

 

当時、私、ロバート・キャンベルは、ハーバード大学の大学院で日本文学を学んでいた。

 

明るく闊達な会話の中、大学にはいつも独特な緊張感が漂っていた。

 

そこに学ぶ誰もが、ぞれぞれの課題を背負い、何より自分自身と真剣に向き合っていた。

 

 

そんな環境の中、フェルナンデスさんは、いつもタフだった。

 

テレビで大統領選を観ているときは誰よりも声高に言う。

 

「もっとしっかり意見を言いなさい!」

 

 

 

 

そう、彼女は、人と人が一生懸命向き合うことが好きだった。

 

ラブロマンスも、プロレスも、ディベートも、そして喧嘩も。

 

どこかで人との衝突や摩擦を避けて、スマートに生きたいと思っていた自分にとって、

フェルナンデスさんの姿は、『人間らしく』映った。

 

彼女の包み込むような笑顔は、寒い部屋を暖める暖炉のように、私の心に残り続けている。

 

 

 

 

 

拝啓、フェルナンデス様

 

 

お変わりありませんか。

大変ご無沙汰しています。

数えると、もう30年も前のことですね。

 

 

大学院生だった僕が、フェルナンデスさんの家の3階を借りて暮らしていたあの頃、

ほんとにお世話をかけました。

 

 

1階に住むあなたは、ポルトガルから移民した、タフで優しいおばあさんで、

とにかく話がはずみ、面白かったです。

 

 

 

疲れて学校から帰ってくると、僕のことを居間にあげて、

手編みレースがかかったソファーで、ポートワインをよく飲ませてくれましたね。

 

 

 

大切なことは、友達になりたい人、なりそうな人達とはよく一緒にご飯を食べることだ、

と言いましたね。

 

 

それから、どうしてもケンカしないといけないような時には、

食べ物や電話も使わず、2人っきりで向き合って、

気が済むまで大声で言い合うのが一番いいんだよ、ということを言われた時に、

私は心底びっくりしました。

 

 

ケンカの仕方を、ポルトガルのおばあさんから教わるとは…。

 

 

 

ちょっぴり恥ずかしくもありましたが、嬉しかったです。

 

 

少し遅れましたが、あの頃のことに、御礼が言いたくて。

 

サンキュー・ソーマッチ。

 

 

 

 

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こちらより転載させていただきました。

TOKYO Fm ゆうちょLETTER for LINKSより ロバート・キャンベル氏のお話     

 

 

 

 

あなたの心に何かしら響くものがあれば幸いです。

 

 

 

 

こちらもどうぞ。

しあわせのヒント集

 

 

個人セッション

 

 

 

 

2014/5/18のお話を再掲載しました。

 

 

 

 

花ひらき、

今ここを天国に。